今回は少し懐かしい話を書こうと思います。
2006年10月24日、日本におけるモバイル環境に大きな変化がありました。
それは、電話番号をそのままに他社に移ることができる、モバイル・ナンバー・ポータビリティ(MNP)がスタートした日です。
このMNPスタートによって、「電話番号が変わるから他社に移ることができない」と考えていた人たちが、電話番号が変わるというリスクを負うことなく他社にキャリアを変更することができるようになったのです。
そしてその日、私もドコモからauへと、電話番号そのままにキャリア変更しました。
もしかしたら、私が足を運んだauショップにおける、MNPユーザー第一号だったかもしれません。
早いもので、もう10年以上前の話です。その時の新規契約の記憶を、今思い出してみようと思います。
MNPでドコモからauへ
当時、私は携帯電話に非常にうとい若者でした。
携帯電話になど何の興味もなく、ただ持っておかないと周りの流行に置いて行かれる、程度の気持ちで持ち始めたような気がします。
もちろん所持していたらいたで、常にどこでも誰とでも簡単に連絡がつくというメリットがあり、一度それを体験すると、なかなか手放すことができないツールになりつつある頃だったと思います。
当時私が持っていた機種は、D506iというケータイでした。
「D」と言われてもどこのメーカーだかほとんどの人がわからないのではないでしょうか。Dは三菱電機の型式でした。ドコモにおいてはFOMAの905、705シリーズまでは販売されていましたが、そこで撤退するに至りました。
今でも昔のケータイの話をすると、「Dってあったね、使ってた!」という人に出会うこともよくあります。それくらい人気もありました。
この機種よりも前にも、私はケータイを持っていたタイミングがあったはずなのですが、一度完全に解約してしまったので今はもう、覚えていません。
ですが、そのD506iだけは何故かよく記憶に残っていて、どのタイミングでどのお店で購入したのか、よく覚えています。
当時ドコモは、movaからFOMAへの移行期にあり、機種購入の際にどちらでも選択が可能な時期でした。
ですが当時の私にmovaもFOMAもわかるはずがなく、それって一体??とばかりに店員さんの勧めるままに、安かったmovaの機種の中でもデザインがかっこいいと感じた、D506iを購入するに至ったのでした。
そのD506iを、最終的に何年使ったのか覚えていませんが、D506iの発売日が2004年5月19日、MNP開始が2006年10月24日なので、長くても二年半程度しか使っていないことになります。
特に不満があったわけではなく、満足して使っていたと思います。
当時の知り合いに勧められるままに、MNP開始と同時にauへ、という話になり、実際に変更するに至ったのです。
MNP開始当日の記憶
MNPがスタートする、という話は、ニュースなどでも取り上げられていたと思います。私はそれを意識して、その日に変更したのですからよく覚えています。
ただ、思いのほか、その当日のauショップは閑散としていた記憶があります。もっと、大挙して多くの人がau・ドコモ・ソフトバンク間で動くのかと思っていたのですが、そんなことはありませんでした。
私が初のau端末として選んだ機種は、W43Hでした。当時の最新機種です。
なぜその機種を選択したのか今となっては覚えていませんが、ずいぶん満足して利用していたような気がします。
movaからの変更だったので、なおさらだったのではないかと思います。
当時のauは、CDMA1XとWINという、ドコモのmovaとFOMAの関係にあたるシリーズが販売されていましたが、私は迷うことなくWINの新機種を選んだわけです。
MNPでメールアドレスは引き継げない
MNPで会社を移る際に要注意と当時いわれていたのが、メールアドレスが引き継げない、という点でした。
この注意点は現在も継続中で、引き続きメールアドレスはMNP利用時には引継ぎができません。
例えばドコモからauに移ると、@以降のドメインが「@docomo.ne.jp」から「@ezweb.ne.jp」のメールへと変更になるため、同じメールアドレスは利用不可となります。
ただ、現在はすでにスマホ全盛時代となり、LINEの登場によってメールをメインの連絡手段として利用する人が激減したこともあり、以前と比べるとほとんど影響はなくなっています。
今はもうない、ソニー・エリクソン
その後、私はauで機種変更を繰り返してきましたが、W43Hのあとはほぼ今はもうないソニー・エリクソン製のケータイを利用してきました。
デザイン製や、光が点滅するなどの細かい仕様がとにかく魅力的に思え、かなりお気に入りでした。W51Sなどですね。
デザインがどうしても似たり寄ったりになってしまう今のスマートフォンと比べて、当時のフィーチャーフォンは様々なバラエティに富んでいたような気がします。
やがて時代はケータイからスマホへと移り変わっていきました。
auは他社と比べてスマホへの移行に出遅れましたが、ソフトバンクに続いてiPhoneの取り扱いを開始したことをきっかけとして、一気にそれまでの劣勢を跳ね返しました。
そのまま好調を維持し、現在に至ります。
MNPもすでに当たり前になって久しいです。
逆に、他社に移るのに番号を持っていけなかった時代があるということを知らない世代も増えてきたのではないでしょうか。
そしてやがては、スマートフォンではないケータイが存在したという事実を知らない世代ばかりになるのでしょう。
MNPが開始されてから10年をすぎ、これだけモバイルを取り巻く環境は変わりました。次の10年後には、果たしてどう世界は変わっているのでしょうか。
楽しみなような、怖いような、そんな次の10年のモバイル環境の進化を楽しみながら、日々歩いていきたいところです。