auのスーパーカケホは、「カケホとデジラ」において、月額1700円で24時間、1回5分以内の国内通話がかけ放題になるサービスです。
時間制限なく完全に通話かけ放題になる「カケホ」(2700円/月)に対し、1回5分以内という時間制限が付くスーパーカケホ(1700円/月)です。
元来、データ定額サービスとセット加入となる料金プランとして展開されていたわけですが、auピタットプラン/auフラットプランのサービス開始に伴い、スーパーカケホ単独でのイメージよりも、「auピタットプラン/auフラットプランの中のスーパーカケホ」という位置づけに変わりつつあります。
そうした点を踏まえながら、今回は従来のスーパーカケホと、auピタットプラン/auフラットプランにおける新しいスーパーカケホについて、検証してみようと思います。
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目次
スーパーカケホで失敗して高額請求が発生した人の話
これは私がスーパーカケホを勧めたある方の失敗談です。結論から言えば、普段の金額からは考えられない請求が発生してしまいました。
「auからこんなに高い請求が来た!」と連絡を受け、詳細を確認してみたところ、確かに普段の倍以上の料金が発生してしまっていました。
それでも、余分にかかったのは1万円弱でしたので、幸いといえば幸いだったのかもしれません。しかしその方にとっては、普段より1万円以上も高い請求が来るということは、当然のことながら非常事態でした。
スーパーカケホを利用していて高額請求が発生した、ということは、原因としてはいくつかしか考えられません。
そして今回のケースでは、そのいくつかのケースを見事に忠実に再現してしまっていたのでした。
5分超過の通話が多すぎた
最大の原因は、5分を超える通話が多すぎたこと、です。
スーパーカケホを利用するのであれば必ず抑えておかなければならない、基本中の基本です。
そして、この1回の通話が5分以内が無料、という事実は、利用者自身理解してはいたのです。しかし、ことのほか会話が弾んでしまうことで、すっかり5分以内無料というルールを忘れてしまったり、気づいていても途中で電話を切ることができないケースが多かった、ということでした。
特に、実際に電話で相手と会話をしていると、完全に意識がそちらに向いてしまい、つい数秒前まで意識していたはずの「5分以内ルール」が完全に頭からなくなってしまうというケースが、特にスーパーカケホを使い始めたばかりの時期には起こりがちです。
加えて言うなら、利用者が年配の場合などは特に要注意です。会話のテンポが緩やかだったり、ついつい長話になってしまうというケースが若い人よりも確実に多くなります。
ナビダイヤルを多用しすぎた
もう一つ、こちらはスーパーカケホだけでなくカケホにも当てはまる内容なのですが、たとえ5分以内であっても、元々通話無料にならない番号がある、ということを忘れてしまっていたのです。
今回その中で利用が多かったのは、ナビダイヤルでした。「0570」から始まる番号です。電話をかけたのは、ある商品販売事業者やインターネット事業者の問い合わせ先でした。
どちらも問い合わせ先にナビダイヤルが利用されていたのです。しかし、ナビダイヤルが無料にならない、ということを失念していた知人は、細かくナビダイヤルを利用していた、というわけです。しかもその多くが、5分以内では収まらなかったそうです。もちろんいずれにしても料金はかかるので5分という縛りも関係ないのですが、いずれにしても料金がかかるしかなかった、という状況です。
その他、後述していますが、0180(テレドーム)から始まる番号への通話、さらに番号案内(104)、行政1XYサービス(188/189)、衛星電話/衛星船舶電話への通話などが、すべて通話無料の対象外となっていますので、スーパーカケホの場合はもちろん、カケホ利用中の場合も要注意です。
そして忘れてはいけない、SMSの利用料です。こちらも別に料金がかかってしまうため、気を付けましょう。
今回の知人の請求については、結局自分で利用した分なので、支払いを回避する方法はありませんでした。
とりあえず利用状況から、スーパーカケホは向かないということがわかったので、改めてカケホへの変更手続きをし、さらにナビダイヤルはもちろんそれ以外の通話無料にならないケースを改めて念入りに注意したところ、それからは問題なく利用できているようです。
スーパーカケホとは何か
auにおいてスーパーカケホは、毎月の利用料金を限界まで安くするために必須のサービスです。
基本プランである「カケホ」が月額2700円なのに対して、「スーパーカケホ」は月額1700円で利用することができます。
しかもスーパーカケホは、カケホ同様通話に関して相手を選ばず、auのユーザーのみならずドコモやソフトバンク、固定電話に対してであっても、通話を無料でかけることができます。
ただし、カケホとの大きな違いとしては、1通話あたり5分以内が通話料無料で話せる時間となっており、それを超えると通話料金が30秒あたり20円発生します。
つまり、電話の回数は問わないけれども、一回の通話で長電話をあまりしない、要件を短く済ませることができる人向けのプランというわけです。
「カケホとデジラ」のサービス開始当初、通話プランはカケホしか選択肢がなく、通話を普段からあまり利用しない人たちにも無条件で月額2700円がかかってしまうという点が大きな不満になっていました。
そこに追加されたのが通話利用が少ないユーザー向けプランとしてのスーパーカケホ(1700円)だったわけです。
当然のことながら、もともとあまり電話をかけないにもかかわらず他に選択肢がなかったためにやむなくカケホを利用していたユーザーは、スーパーカケホの登場で大きな恩恵を受ける形となりました。
スーパーカケホはデータ定額サービスとセット提供
スーパーカケホは、カケホ同様、「デジラ」とのセットでの利用となります。
デジラ、つまりデータ定額サービスですが、ひと月あたりに利用できるデータ容量によって、いくつかに分かれています。
データ定額1/2/3/5/(8/10/13)/20/30
すなわち、データ容量が月あたり1GBから、上限30GBまでのプランが用意されています。
20GBおよび30GBプランのことをスーパーデジラと呼び、大容量プランとして後日スタートした内容となっています。
それにともない、データ定額8・10・13については新規受付をすでに終了しています。
さて、この中で唯一、「データ定額2」のみが、スーパーカケホとはセットにできないプランとなっていますので注意が必要です。
まとめると、スーパーカケホのセットとして現時点で申し込みが可能なプランとしては
データ定額1/3/5/20/30
ということになります。
あくまでスーパーカケホはデータ定額サービスとのセット提供なので、たとえば通話だけ利用して通信は一切利用しないという場合に、データ定額サービスを外してスーパーカケホだけ申し込みをする、ということができなくなっています。
あくまで、データ定額サービスありき、なのです。
スーパーカケホはデータ定額2とセットにできない
それにしても、データ定額1、データ定額3とはセットにできるのに、その間のデータ定額2とだけセットにできないというのも、何かおかしな感じです。
スーパーカケホとデータ定額のセット料金を見るとこうなります。
スーパーカケホ+LTE NET | カケホ+LTE NET | |
データ定額1 | 4900円 | 5900円 |
データ定額2 | なし | 6500円 |
データ定額3 | 6200円 | 7200円 |
最安値は、スーパーカケホとデータ定額1の4900円です。
次に安い組み合わせは、カケホとデータ定額1、その次がスーパーカケホとデータ定額3となります。
スーパーカケホとデータ定額2が組み合わせられないため、データ定額2の場合はカケホとのセットの6500円となり、スーパーカケホとデータ定額3よりも300円高くなります。
これにより、電話をそもそもほとんど利用しないユーザーはまずスーパーカケホを選択し、次にデータ容量がどれくらい必要かを考えればいいでしょう。
データ容量もほとんど必要ないユーザーはデータ定額1を組み合わせて最安値にすればよく、1GBではさすがに足りないという場合には、次のデータ定額3、もしくは5、スーパーデジラ(20GB・30GB)と選択していく形となります。
スーパーカケホ+データ定額1では毎月割が適用しない
このスーパーカケホとデータ定額サービスのセットについて、非常に大きな影響がある内容が含まれています。
それは、スーパーカケホとデータ定額1の最安値プランを選択した場合、なんと端末本体の割引として大きな金額が割り引かれる「毎月割」が適用しないという点です。
この制約により、機種変更時や新規契約時には、事実上スーパーカケホ+データ定額1は、選択できないプランとなります。
なぜなら、毎月割が適用しなくなれば、機種代金が全額そのままかかってしまうことになり、かなり高額の料金を支払う必要が出てくるためで、それではいくら毎月の料金が安くなっても結局総額では損をしてしまいます。
これが、スーパーカケホとデータ定額1の最安値セットの大きすぎる注意点となっています。いずれにしても同じデータ1GBを利用するのであれば、最低料金で済ませることができるau ピタットプランの方が確実にお得です。
auピタットプラン/auフラットプランとスーパーカケホ
au ピタットプランでは、スーパーカケホとデータ定額1を利用した場合と同じく毎月割が適用しません。
しかし、その毎月割が適用しないという注意点を回避するための方法として、機種購入時にアップグレードプログラムEXを利用するという方法があります。
アップグレードプログラムEXを適用させた場合、割賦は48ヶ月となりますが、その代わりに25ヶ月目以降に新しい機種に機種変更した場合、それまでに利用していた機種の割賦残金が全額割引となるシステムです。
これにより、事実上の毎月割適用のようなイメージの料金になるので非常にお得です。
では、そもそもau ピタットプラン/au フラットプランとスーパーカケホはどのような関係性にあたるのでしょうか。
ここを正しく理解するためには、単純にauピタットプラン、auフラットプランの内容を理解するのが早道です。
関連記事:「au ピタットプランとau フラットプランのメリットデメリットを確認する」
簡単に解説するなら、auピタットプラン/auフラットプランでは、インターネット利用時の仕組みとして、以下の3パターンがあります。
・利用した分だけの従量制・・・auピタットプラン
・20GBの定額制・・・auフラットプラン20
・30GBの定額制・・・auフラットプラン30
そしてこの3パターンの中で、それぞれ通話の利用状況に合わせて「カケホ」・「スーパーカケホ」・「シンプル」という三つのコースを選択できるようになっているのです。以下のようになります。
・auピタットプラン(カケホ)
・auピタットプラン(スーパーカケホ)
・auピタットプラン(シンプル)
・auフラットプラン20/30(カケホ)
・auフラットプラン20/30(スーパーカケホ)
・auフラットプラン20/30(シンプル)
ここに至ってスーパーカケホは、単独で考えられるのではなく、au ピタットプラン/au フラットプランのスーパーカケホ、として新プランの中に内包される形となったのです。
そしてこれこそが、現在のauの標準プランとなっています。
通話をかけるヘビーユーザーにはスーパーカケホはメリットなし
スーパーカケホは、そもそも5分以内の通話が無料ではあるものの、それを超えて通話をすると通話料金がかかります。
30秒ごとに20円です。通話料としてはかなり高いといえます。
そのため、スーパーカケホはあくまで電話は用件だけを手短に済ませることができる人向けであり、長々とおしゃべりを楽しみたいという人にはまったく向いていません。
通話を何時間も続けてかける人や、毎日かなりの通話時間を消費するという人にとっては何のありがたみもないプランといえます。
具体的に計算すると、スーパーカケホとカケホの間には1000円の価格差があるため、5分を超えた通話を月あたり25分以上かけるのであれば、カケホにしておいた方がお得です。
カケホ・スーパーカケホの注意点
カケホは回数無制限・時間制限なしで通話かけ放題、スーパーカケホは回数無制限・5分以内無料でかけ放題というサービスですが、両方に共通した注意点があります。
通話先の番号に関してですが、相手がau・ドコモ・ソフトバンク・ワイモバイル・UQモバイル・その他MVNO・PHS・固定電話・IP電話など、いずれに対してかけても「かけ放題/5分かけ放題」は適用されます。
ただし、例外的に料金が発生してしまう通話先番号が存在しています。
0180(テレドーム)/0570(ナビダイヤルなど)から始まる番号への通話、さらに番号案内(104)、行政1XYサービス(188/189)、衛星電話/衛星船舶電話への通話に関して、すべて無料通話の対象外となります。
さらに、通話ではないですが、SMS送信に関しても有料となります。通常通りの料金が発生しますので注意が必要です。
ちなみにこれらの注意事項に関しては、ドコモの場合もほぼ同じ内容なので、あくまでかけ放題になるのは携帯あてか固定電話、IP電話、PHSあてなどであり、特殊な番号への通話については有料になるケースもあると覚えておいて、実際利用の際には注意しましょう。
auスーパーカケホの対抗・ドコモカケホーダイライトプラン
ドコモやソフトバンクが先手を打てば、それにauは対応しますが、逆のケースでも、auが出せば当然のことながらソフトバンクも、最大手ドコモも追随してきます。
カケホのスタートではドコモのカケホーダイプランに後塵を拝したauですが、スーパーカケホに関しては一歩先んじることができました。
auのスーパーカケホ発表に反応して、NTTドコモが出してきた新サービスが「カケホーダイライトプラン」でした。
内容はほとんどスーパーカケホと変わりありません。ただしドコモの場合、カケホーダイライトにspモード、そしてデータSパックを選択した場合の最低料金が5500円で、auの場合よりも割高です。
auの場合には、スーパーカケホ+LTE NET+データ定額1であれば4900円で収まりますし、auピタットプランであれば一年目各種条件を満たした上での最低料金は1980円です。
一方で、ドコモにはdocomo with(ドコモウィズ)という格安プランがあり、家族まとめてシェアパックを利用している場合などにメリットが出やすい仕組みとなっていますので、家族がいる場合のドコモ優位、単独の場合のau優位と考えるとわかりやすいかもしれません。
スーパーカケホ・5分かけ放題はMVNO格安SIMでも
増え続けるMVNOが提供する格安SIMユーザー。
大手キャリアであるauやドコモがスーパーカケホやカケホーダイライトなどで競いあっている間に、いつの間にかその勢力を大きく拡大しています。
そんな、格安SIM市場でも昨今大きく増え続けている重要なサービスとして挙げられるのが、5分かけ放題です。
au系MVNOのUQモバイルでも「5分かけ放題」は採用されており、「おしゃべりプラン」としてセット料金イチキュッパ(1980円)で提供されています。
これにより、大手キャリアであるauやドコモ、ソフトバンクのお株を奪う安さを実現しています。
5分かけ放題を使いたいからauを使い続けなければならない、というわけではないのです。
時代は変わりつつあります。新しい世界をのぞいてみたい場合には、UQモバイルについて内容詳細を確認してみてください。
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