「auご利用中なら、ご自宅のインターネットをauひかりにして、スマートバリューを利用された方が絶対お得ですよ!」
auショップに行くと、ほぼ確実にお勧めされるのがこの「au スマートバリュー」というサービスです。
auがかなり力を入れて推進している「auひかり」とのセット割引サービスで、光インターネットサービスのシェアを巡って「ドコモ光」や「ソフトバンク光」との熾烈な競争を繰り広げています。
固定の光インターネットサービスは、ケータイ・スマホと比較すると利用する際に工事が伴う分、一度変更したら他社に乗り換えるのにかなり手間がかかります。
そのため、早めに「auひかり」ユーザーを獲得することは、auにとってはユーザー囲い込みの効果が期待できるという意味で大きなメリットがあります。
ただ、では実際にauスマートバリューが適用された場合、ユーザー目線でどれだけ安くなってどういうメリットがあるのか、という点は、かなりわかりにくくなっています。
各プラン、各利用状況によって割引金額が変わるのが何より大きなわかりにくさの要因だと思いますが、同時にそれがauスマートバリューを利用するにあたっての大きな問題点でもあります。
auスマートバリューの詳細内容を改めて確認していこうと思います。
目次
auスマートバリューの割引金額
auスマートバリューは、一言でいえば「auひかりとセット利用をすることでauの料金が安くなるサービス」ですが、安くなる金額に幅があること、利用年数によって3年目以降の割引額が変わることなどがわかりにくくなってしまうポイントではないかと思います。
一覧にすると以下の通りです。
指定のデータ(パケット)定額サービス | 割引金額 | |
①auスマートフォン 4G LTE ケータイ | auピタットプラン | 【シンプル:1GBまで】:割引きなし 【カケホ/スーパーカケホ:2GBまで】 毎月500円OFF 【シンプル:1GB超~2GBまで】 毎月500円OFF 【カケホ/スーパーカケホ/シンプル :2GB超~20GBまで】 毎月1000円OFF |
auフラットプラン20/30 | 毎月1000円OFF | |
データ定額10/13/30 データ定額10(ケータイ)/13(ケータイ) |
最大2年間 毎月2,000円OFF (永年934円/月+最大2年間1,066円/月) |
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データ定額5/8/20 データ定額5(ケータイ)/8(ケータイ) LTEフラット ISフラット プランF(IS)シンプル |
最大2年間 毎月1,410円OFF (永年934円/月+最大2年間476円/月) |
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U18データ定額20 | 適用期間中 毎月1,410円OFF |
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データ定額2/3 データ定額2(ケータイ)/3(ケータイ) ジュニアスマートフォンプラン シニアプラン LTEフラット cp(1GB) |
永年 毎月934円OFF |
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データ定額1 データ定額1(ケータイ) |
最大2年間 毎月934円OFF (永年500円/月+最大2年間434円/月) |
②3Gケータイ | カケホ(3Gケータイ・データ付) | 永年 毎月934円OFF |
③4G LTEタブレット | LTEフラット for Tab/Tab(i)/Tab(L) | 最大2年間 毎月1,410円OFF (永年934円/月+最大2年間476円/月) |
これだけで、見る気がなくなるくらいわかりにくいですね。
よほどauの料金プランに精通していないと、自分が一体どこに当てはまるのか、探すのも一苦労だと思います。
ただこれでも、例えばドコモの「ドコモ光パック」などと比べれば、慣れてしまえばずいぶんわかりやすいのです。
au スマートバリューの理解の仕方
au スマートバリューを理解するためには、コツがあります。そのコツをつかんでしまえば、一気にわかりやすくなります。
まず把握するべきは、自分の利用しているプランがどういうプランなのか、という点です。
auが強力に推進しているau ピタットプラン/au フラットプランを利用している方が、現在では最も多いかもしれませんが、まだそれ以前のプランを利用している方もいらっしゃると思います。
もしau ピタットプラン/au フラットプランを利用しているのであれば、利用の仕方によって、毎月0円~1000円の割引きが適用されます。
au ピタットプラン/au フラットプランの場合のau スマートバリュー
au ピタットプランは4段階従量制という特徴から、au スマートバリューを適用させた場合の割引き金額についても変動します。
au ピタットプラン(シンプル)で1GB未満の利用だった場合に限り割引適用なしとなりますが、それ以外の場合は500円の割引きか1000円の割引きとなります。
500円割引きと1000円割引きのボーダーラインとなるのは、利用容量が2GB未満か2GB以上か、というところです。
覚えてしまえば比較的わかりやすい内容といえるのではないでしょうか。
ちなみにau ピタットプランを利用している場合、最安値として盛んにPRされている「1980円」は、au ピタットプラン(スーパーカケホ)にビッグニュースキャンペーンの1年間1000円引き、そしてau スマートバリューの500円割引きを適用させて初めて実現することができます。
もしくは、au ピタットプラン(シンプル)で1GB未満の利用とビッグニュースキャンペーンの場合、です。
いずれにしても「1980円」は、ビッグニュースキャンペーンが適用する最初の1年のみの限定料金であるということは理解しておきたいところです。
au フラットプランの場合のau スマートバリューによる割引は単純明快、非常にシンプルです。
au フラットプラン20/30どちらを利用していたとしても、毎月1000円の割引きです。変動することは一切ありません。
データ定額サービスを利用している場合のau スマートバリュー
au ピタットプラン/au フラットプランではなく、データ定額プランをまだ利用している場合。
抑えておきたいのは、1年目、2年目の割引金額と、3年目以降の割引金額には違いがある場合がある、という点です。
3年目以降は割引金額が基本的に減るか、そのまま継続となるかのどちらかです。
これも、上記表に基づいて、自分の利用しているデータ定額プランがどれなのかを確認し、1年目~2年目、そして3年目以降の割引きがどれくらいになるのかをしっかりチェックできれば何も難しいことはありません。
たとえば利用しているユーザーが多いと思われる「データ定額5」の場合、最大2年間が1410円割引となり、それ以降は永年934円の割引となります。月額476円の割引が3年目以降はなくなるということですね。
こう考えると、ある程度わかりやすく理解できるのではないかと思います。
auスマートバリューは利用した方がお得なのか
以上のauスマートバリューの割引内容を踏まえて、やはりauスマートバリューは積極的に利用した方がお得なのでしょうか。
それを判断するには、そもそものauひかりの料金も抑えておく必要があります。
auひかりの料金についてはまた別記事で詳細解説するとして、ここでは簡単にお伝えしておきます。
ずっとギガ得プランでauひかりホーム(戸建)の場合、月額料金は1年目5100円、2年目5000円、3年目以降が4900円となります。
ただし、auスマートバリューを適用させるためには、条件としてネットだけでなく「電話(au ひかり 電話サービス)」もつける必要があります。
これが月額500円かかるため、合計すると1年目5600円、2年目5500円、3年目5400円となります。
1年目 | 2年目 | 3年目以降 | |
月額料金 (ずっとギガ得プラン) |
5100円 | 5000円 | 4900円 |
月額料金 (ずっとギガ得/電話セット) |
5600円 | 5500円 | 5400円 |
単純に電話を必要としていない場合、500円のプラスはなかなかに大きな出費です。何故なら、auピタットプランでau スマートバリューが適用されたとしても、容量を2GB未満で抑えるのであれば、割引金額は全く同じ500円であるため、メリットがありません。
しかし、稀に2GBを超えて利用したような場合には、割引額が1000円となるため、au スマートバリューありの方が有利となります。
マイナスになる可能性があるとしたら、auピタットプラン(シンプル)で1GB未満の利用しかない場合です。この場合、au スマートバリューの割引きが適用されないので、逆に電話を付けるための500円分マイナスになってしまいます。。
ただ、そのパターンだけ注意しておけば、それ以外のケースでは得するケースはあっても損はしないので、au スマートバリューはいずれにしても利用する方がやはりトク、と言えそうです。
その他、注意点として、「ずっとギガ得プラン」を利用することにより、3年単位の自動更新という条件が付きます。短期的な解約を考えていなければ一切関係ありませんが、3年未満での他社検討もありうる、と考えている場合には少し考慮しなければならないでしょう。
とりあえず、料金的には劇的に安い、というほどではありませんが、いずれにしてもauを利用しているということであれば、auひかりを同時利用することを検討してみてもよさそうです。
auスマートバリューを使わない方がいいケース
では逆に、auスマートバリューを利用しない方がいいケースとしてはどういうケースが考えられるでしょうか。
auスマートバリューを利用しない方がいい=auひかりを使わない方がいい、というケースですね。
まず第一に、前述しましたが、auひかりにおいて電話を必要とせず、なおかつauピタットプラン(シンプル)を利用しており、データ容量は1GB未満しか使わないという超ライトユーザーの場合です。au スマートバリューは適用されない上に光電話の500円が追加でかかるので、金額的にマイナスになります。光電話は利用せず、au スマートバリューも適用させない方がいいでしょう。
第二に、auを今後、やめる可能性がある場合です。近々ドコモに変更しようと考えているとか、格安SIMを利用しようと思っている、という場合には、auスマートバリューを利用することによってauひかりの解約金が発生してしまったり、再度別の光回線契約をするための費用がかかってしまいますので、auスマートバリューを利用するのは少し待った方がいいでしょう。
第三に、近いうちに引っ越しをする可能性がある場合です。引っ越しをすると改めて光回線を引く工事が必要となりますし、場所やマンションによってはauひかりに対応していないというケースもあります。
まだ引っ越しが一年も先、ということであれば問題ないと思いますが、数か月で引っ越しする、ということであれば、とりあえず別の方法を模索してもいいかもしれません。
auスマートバリューとドコモ光パック
最後に、大手キャリアであるNTTドコモが提供する光サービスである「ドコモ光」との比較をしてみたいと思います。
ドコモ光の場合、auスマートバリューよりもプランによる割引金額が細分化されており、非常にわかりにくいです。
また、スマホで契約しているデータ容量が大きくなればなるほど割引金額は高くなるものの、自宅で光回線を利用しているユーザーはそもそも大容量は必要としていないケースが多い、ということを考えれば、大容量利用時の大きな割引は、事実上かなり限定されたユーザーしか恩恵を受けることができない可能性が高いと思われます。
しかも、家族の場合も代表回線ユーザーしか割引を受けることができないので、回線ごとに割引が適用するauが圧倒的有利です。
逆にドコモ光の有利な点を挙げるとすると、ドコモ光は光電話をセットにする必要がありませんし、シェアパックにするとやはり回線数が増えれば増えるほどお得になります。
加えて、auにないシステムとしてずっとドコモ割プラスなどの長期割引もあるため、実際のところ最近は比較が非常に難しくなっています。
ちなみにずっとドコモ割プラスに対するauのサービスとしてはau STARロイヤルがあります。
どちらがお得になるかは。それこそ家族の回線数、プラン、光、利用年数など、それぞれの条件を詳細に出した上でなければ確認が難しいため、どうしても細かく出したい場合にはそこまで詳細に自分と家族の利用状況を確認した上で、ショップなどでシミュレーションしてもらうといいでしょう。